武器&武器外伝

掌の中からひんやりとした感覚が伝って身体の中をぐるりと回っていく。
奇妙な形をしたモノが手の中で空弾を放つように音を立てると、背筋を何かが通り抜けていく。
それがとても恐ろしく感じ、顔の上で止まっていた布団を持ち上げて頭の先まで、全てを覆い込んだ。

真っ暗闇の中で目をうっすら開いてみると、目を閉じていた時とはまた違う黒さが身体を包んでいるのがわかった。
それが頭にしっかりと焼き付いたまま離れようとせず、目を開いた状態でいれば、いつかこの闇に飲み込まれてしまうのではないかと思ってしまう。
それがいつ訪れるのかも分からない僕は、手に握り締めたままの黒い塊を先程よりも強く抱えた。

これを抱えていれば、危険に晒された時は必ずあの人が助けてくれるような、そんな気がしたのだ。
そんなあの人は、もう僕の傍にはいないけれども。

時が経つにつれて深くなっていく暗闇から逃げるように、僕はきゅっと瞳を閉じて全身をひんやりとした空気で包む。
けれども、もうすぐ傍まで得体の知れない何かが近づいているような気がして仕方がなかった。
僕もアチラ側へと迷い込んでしまうのだろうか。

聞こえない足音と見えない存在が、僕の身体を後ろに引いていった。

それでも掌に納められた黒い塊は強く握りしめたまま。

2008.08.30. up.