武器&武器外伝

狙いを定めた友人が、じっと俺の方を見る。
しかもあれだ、もろに俺を狙ってる感が満々で、俺はそこから動けやしない。
彼の弓の腕前はかなりのものだ。
だから逆に動くと別の場所に当たりかねない。
それに、動くなと言われたのに動いた俺の自業自得で済まされてしまうような感じもする。
そうなった時のことを考えると、やはり動かずにじっとしている方が身のためだと、身体をぴたりと静止させて目を閉じる。

だが、中々動きを見せないで狙いを定めている彼が気になり、俺はそっと目を開いて少し先にいる彼を見た。
やはり弓を引いたまま、じっと俺を見つめている。
それがなんだか、とてつもなく不安を煽る。

余計に身体を強張らせると、彼の手には弓を握ったままなのに、身体を何かが射抜いているような感覚に陥る。
それも後ろから前に突き刺さっているようで、身体を動かせなかった。
疑問に思って顔を後ろに向けようとした瞬間に、俺の左頬をかすって通りすぎたものが、鈍い音を立てて横に伸びた。

そちらの方を向いてから彼を見ると、彼は慌てた様子でこちらに向かってくる。

その様子を見て、俺が振り返っていれば、確実に頭を射抜いていたのではと思ってしまう。

遊び心で頭の上の林檎を射抜こうだなんて考えるものじゃないなと思いつつ、なぜそんなことをし始めたのかと言う理由が見つからない俺の背中を、冷たいものが掠めていった。

2008.09.01. up.