武器&武器外伝
鍬
後ろ姿が異様に印象に残っていた。
上下共ボロボロになった作業着を身に纏って、朝早くから夜までずっと腰を折って作業していた。
俺が朝その道を通る時も、夜通る時も、あの場所には変わらずその姿があり、作業をしたりじっと様子を伺っていたりと少々不気味なところはあった。
しかし、目が合うと必ず柔らかい笑みを浮かべてくるところがその印象を変化させていった。
それに付け加えるように、人を寄せ付けないと言い表しているような雰囲気を漂わせているところが、更に不思議だと思わせて仕方なかった。
通る度に異なった雰囲気を出して俺たちをみている様が、恐怖と言うものとは違った、全く別なもので覆われている気がしたのだ。
だからか、どこかで安心しきっていた面が滲み出ていたのではないかと思う。
そこに俺は、付け込まれてしまったのかもしれない。
真っ暗闇の中、たまに小さな光を見せるものが何か理解出来ながら、そこへ飛び込むことはできなかった。
そうしてしまえば、あの異様な雰囲気を纏ったもの全てに刈られてしまうのではないかと。
地に突き刺さったものを繰り返し視界にいれながら、何もできない自分を咎めることも、許すこともできなかった。
2008.09.06. up.