武器&武器外伝

けたたましい音が鳴ってドアが閉じた。 素早くふたつの鍵をかけて、予備としてついているチェーンをもかける。
その動作を行ったあと、ドアに手をついて息を整える。
周りの空気を思いきり吸い込むと、喉の奥がきりきりと悲鳴を上げながら先へとそれを流し込んでいく。
空気を取り込んでも、うまく呼吸機能が働かないのか、少し息苦しさを感じた。
しかしそれも、しばらくするといつもと同じ状態へと変化し、身体が落ち着きを取り戻していた。

俺は生唾を飲み込んで、ゆっくりと後ろを振り返る。
そしてドアに両手をついて穴を覗き込む。
するとそこには、白い帽子を深く被ったワンピース姿の女がいた。

勢いよくドアから顔を離すと、強張っている身体を力で無理矢理動かすように指示をだす。
その瞬間、奇妙な笑い声を出しながらドアが叩かれる。
それが身体の中の全ての糸を切るきっかけになったのか、身体がすんなりと動き出した。
俺は無我夢中でベッドに潜り込み、強く瞳をつむった。

だがドアを叩く音は消えず、それが増しているような気がした。
しかもそれは、俺のいるベッドの方へと近づいているように思える。
布団を握る力を強めるが、それとは逆に引かれているような気にさえなってしまう。
そうこうしている内に、自然と音は消えていて、それに安堵した俺はゆっくりと布団の中から外を覗いた。
が、その向こう側には俺が先程ドアの向こう側で見た女の姿があった。
その手には鎌が握られており、目が合ってしまったような気がした俺は、いつのまにか意識を手放していた。


次に目が覚めたのは早朝で、布団を捲るとベッドの上には母親から貰ったお守りが切られた状態になって身体から離れていた。

それがとても恐怖を駆り立てていくようで、俺の背中には冷や汗がじんわりと浮いていた。

2008.08.31. up.