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錆びた銀を抱きしめた
「可哀相に。まだ忘れられないの?」
人を見下したような言い草で、地面と同化しそうな僕の身体に銃口を向ける。
張り付いてしまった身体を起こすことができず、下から男の顔を見上げると、半身に痛みが走る。
その所為で、また身体は地面と同化するように沈んでいく。
「そんなにも、大切だった?」
くぐもった声でそう言いながら、僕の指先を踏みつけて、笑う。
口に出そうとする言葉は声にならず、喉元でうなるような音に変わって消えていく。
それを満足気に見下ろす男に腹が立ったが、身体は僕の意思を消し去って言うことをきかない。
「そんなに必死になって、何になる?」
男の声が頭に響いて、僕の記憶をかき乱す。
それと同時にまた、身体には痛みが走って、喉元で声が消えていく。
うっすら男の顔を視界にいれると、今度はつまらなさそうな表情を浮かべて僕をみる。
それからの記憶は、ない。
2008.06.24. up.