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灰の底に似た温度の手
君の手を握って、その手を導くように先を歩く。
僕は振り返って君の姿を視界の中に入れようとはしないし、君も俯く僕の顔を覗き込もうとはしない。
ただ握った手を確かな存在としてだけ、先へと繋がる道を行く。
その手からは既に、暖かいものは感じることができない。
それでも、ただ前に進むのだと僕は君の手を引いて道を行く。
握り締めた手に力を入れて、離れないようにと繋ぎ直して僕は地を仰ぐ。
それなのに、僕の掌の中から君の手はするりと抜け出して空を切った。
そこで僕は、足を止めた。
ふわりと僕の顔を包むように、温度をなくした君の手が伸びてきて、冷やりとした感覚が全身を包んだ。
君の手に僕の手を重ねると、その冷やりとした感覚がすっと消えてなくなった。
その現実に、僕はただただ溢れるものを止め処なく流し続けるしか出来なかった。
2008.07.11. up.