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音は消えるものではなく
目が覚めると、僕は白い空間の中に居た。
顔を動かして辺りを見ると、白衣姿の男を目が合い、男は口を開いた。
多分「大丈夫?」と言ったのだろう。
男の声は、僕には届かなかった。
頷いてみせると、男は困ったように笑って何かを書き記した。
それをみて、僕の頭は鈍器で殴られたかのような衝撃が走る。
けれど、それは直ぐにおさまり、男はまた困ったように笑った。
その後、薬のようなカプセルを僕に渡して、飲み込むように指示する。
戸惑っている様子を見せると、男は僕の頭をそっと撫でて微笑む。
そうするもんだから、不思議と安心してしまって、気付いた頃にはカプセルは口の中で溶け始めていた。
それを見届けると、男は紙に「しばらくすると元に戻るよ」と書き記して、どこへ行ってしまった。
身体の動かない僕は、その場所でじっと眠っているしかなく、瞳を閉じた。
2008.06.24. up.