漢字一文字10のお題
青
果てしなく広がる青を下から見上げながら、僕はゆらりと揺れる青色に身体を埋め込んだ。
頭上に広がる青は、透明な膜を身に纏っているかのように澄み渡っていて、手を伸ばせば奥の方に吸い込まれていくようだった。
コチラへ来いと、手招きしている様子を見せる青に思わず全てを吸い込まれそうになるが、下で僕を支えている青色が手を引くように引き止める。
そこでいつも、捕われていた感覚が呼び戻される。
下からはいつもと同じように、ゆらゆらと揺れる青色が何かを伝えるよう、少し荒く僕を揺さぶっていく。
それが肌に当たる度に、伝えようとしていたモノがなぞるようにして脳裏に鮮明に映されていく。
映像が映って消えることを繰り返し、レンズを通して外へ放つと、身体の重さが薄らいでいくような気がした。
あくまで、気がしただけなのだが。
レンズを通して放たれた映像は上の青には届かずに、澄んだ壁によって跳ね返されて青色の中へと沈んでいった。
僕自身で届くことができなければ、放たれた映像すらも青に近付くことはできないのだと感じさせられたのは、もう何度目のことだったか。
僕はこの青色から抜け出すことができなければ、憧れとする青まで近付くことさえもできない。
ずっとずっと、僕はこの青色に身体を埋めたまま。
2008.09.09. up.