海に見る10のお題
涙
袋の中に少しずつ、少しずつ時間をかけて落ちていく。
いついっぱいになるか分からない袋はギシギシと音を立てながら風がないのに揺れ動く。
それに合わせながら、袋の中に落ちていく速度を早めたそいつ。
中でゆらゆらと揺れる様子が、とても美しいと感じた。
袋の奥の方から熱が押し寄せてくると、袋に溜まりかけていた中身が外にぽろぽろと零れ落ちていく。
速度を速めたり緩めたりしながら、袋の外側を通って下へ下へと落ちていく。
それがなぜだか、そこにある何かをとても切なくさせる。
零れ落ちたものはどこへ消えていくのだろう。
それを考える思考はない。
ただ、少しずつ落ちてくるものを袋に溜め込んで、あるところまで達するとそれを流しだす。
誰かに組まれた工程をやり遂げて、それを繰り返すだけなのである。
2008.07.23. up.