10の場所お題

水族館

視界に映り込んでくる透き通った空間や好きなようにくねり動くものが、全てを圧倒した。
確かに私は地に足をついている。
なのに、全く別の世界に降り立ったかのような感覚が身体を包み込み、染み込んでいく。

私は気付かない内に、目の前に広がる澄んだ世界に全てを奪われていた。
その場に立っていると、いつしか本当に中へと吸い込まれてしまうんじゃないかというくらい、私には衝撃的なモノだった。
どんなに長い時間、ここに留まっていても退屈だと思わせないモノたちばかりだ。


気づくと私は、遮らってある隔たりを通り越し、透明の隔たりに張り付いてそれらを睨みつけていた。
しかし、中から物凄い形相で睨み返してくる相手に負かされ、透明の隔たりから思わず身体を剥がしてしまった。
助かったと思うのと同時に、この世界には入り込めないのかもしれないとも感じた。

私は凄い形相で睨み返してきた相手を探して、いつか必ずそこに辿り着いてやると誓った。

2008.08.16. up.