10の場所お題

久しぶりに彼の家に来た。
部屋まで案内した後、彼は飲み物をと行って部屋から出て行ってしまった。
階段を降りる音を確認すると、私は早速行動を開始するべく立ち上がった。

普段からクールで抜目のない彼の新たな一面を探るべく、私は今日の為に作戦を企ててきたのだ。
名付けて「クールで抜目のない彼の素顔を晒け出して新たな一面を探してみようぜ第一弾」だ。
……タイトルが長いとかそのままだとか言うことは置いといて、戻ってくる前に終わらせなくてはならない。

本日のミッションは男なら誰でも持っているであろうアレを探しだすこと。
私はまず始めに彼のベッドの下に視線をやる。
あるはずだと思ったのだが……ない。
やはり抜目のない彼なら王道の隠し場所は避けるのか。
秀才は頭の回転の仕方も回路も全く違うなと感心したが、そんなことをしている場合ではない。
次はベッドの横や後ろを探してみるが見つからない。

やはりそう簡単には見つかる物ではないなと気を取り直して違う場所を探索する。
本棚や机、CDラックやその他の収納スペース。
探してはみるがそれらしきものは全く姿を見せない。
元々シンプルで何もない部屋なのにどこにもないだなんておかしすぎる。
私はベッドの近くに戻り、最後の切り札はここしかないと、ベッドカバーと布団に手をかけた。
が、後ろに物凄い威圧感を感じた私は恐る恐る振り返った。

そこには、冷めた目で私を見る彼の姿があり、私はベッドカバーと布団からそっと手を離した。
目を逸らすことなく私を見つめる彼は、言葉じゃ言い表せないくらいに恐ろしかった。

もちろんこの後、こっぴどく怒られたのは言うまでもない。
今回のミッションは残念ながら失敗に終わってしまったが、こんなことで諦める程ヤワではない。
今度こそ、クールで抜目のない彼の一面を探し出してやろうと心に誓い、新たに作戦を練るのだった。

2008.08.18. up.