ゲームセンター
四方八方からがやがやと耳障りな音が入り込んでくる。
こんな風に騒音に包まれた場所に、とても嫌悪感を感じていることを知っているくせに、友人はいつも面白半分で私を連れだす。
いい加減止めてはくれないものかとは思うが、彼女には何をしても敵わない。
最後の最後でいつも私が折れてやるのだ。
隣で中を覗きこみながら、取れそうやら取れないやらそんなことを口にしている彼女を横目に、こんな所の何がいいのかと考えてみる。
が、やはり私にはよさが全く分からない。
寧ろ、連れ出される度に悪印象の方が強く、濃くなっていくのは気の所為だろうか。
取れないと分かっているのに、機械に群がる意味が分からない。
出ていくものと得るものの比が明らかに違うことが分からないのだろうか。
そんなことを考えているうちに、彼女は目的のモノを手に入れたらしい。
景品口から手を出して立ち上がると、私に向かって満面の笑みを浮かべた。
……得られないからこそ、無意識に求めてしまっているのかもしれないな、彼女は。
ご満悦状態の彼女に向かって、帰るよと声をかけると、納得がいかないと言いた気だったが、それを無視して外へ出た。
そうすると、後を追って彼女も外へと出てくる。
中とは比べようがないくらいに静かで心地よい。
速度を上げようと足を踏み出した途端、彼女は私の腕を掴んで引き止めた。
仕方なく足を止めて振り返ると、抱えた人形の後ろから同じ種類で少し小さめの人形を出して私に差し出した。
何かと思って彼女をみると、あげるといって横に並んで笑った。
不覚にも、彼女が差し出した人形に対して、嬉しいと思ってしまった。
押し付けるように人形を私の手に握らせたあと、彼女は私の目をみてまたついてきてねと言った。
やはり、彼女には敵わないと改めて確認したのだった。