変幻自在10days

陽だまりの中にいるふたり

ひとつの長く大きな影を追いかける短く小さな影。
空に向かって黄色く輝く花弁を見せる花達を両側に携えながら、立ち止まったり進んだりしながら、細い道を通っていく。

周りには黄色い花弁をつけた花とふたつの影しか見当たらない。
洒落た家がなければ、小さな店もふたつの影以外の人影も、なにもかも見当たらない。
その空間だけが別世界として切り離されたかのように、決まったものだけしか存在していなかった。

ただ青々とした空が果てしなく続いていて、雲がなければ光を与える太陽さえも存在しない。
けれどそこは光が差し込んでいるかのように柔らかいものが周りを包んでいた。
すり抜けていく風の存在がないのに、黄色い花弁はゆらりと揺らいで存在を示している。

どこか不可思議な世界観が漂っているのに、ふたつの影はそれを気に止めることなく、ひたすらに先にある何かを目指して動いていく。

ただふたつの影が共にあることだけが全てなのだと示すように、変わることのない景色の中で動いている。
果たしてこれは誰かの理想であるのか、それとも全ての先にある現実なのか。


それさえも、この世界ではうやむやになっているようだった。

2008.08.19. up.