変幻自在10days
手のひらからするりと逃げた
手を伸ばせば届く距離なのに、それをすればする程、距離が遠ざかっていく。
追いつこうとしても、ある一定の間隔を開けたまま一向に縮まろうとはしない、その差。
そればかりか、徐々に間の間隔は増していく。
まるで、何もかもを寄せ付けまいとするように。
伸ばした手は必ず空を切って元の場所へと戻ってきてしまうのに、追いかけることを止められない。
無意識に湧いてくる何かへの執着心が身体全てを行動に移させる。
それに静止も拒否も許されない身体は、ただ操り人形のように従うだけ。
力無く、先の見えない結果だけを背負い、身体が指示する通りに動きつづける。
しかし、無意識であれ自身の中でもそれを手にしたいと願うものが、全てに行き渡っているような気もする。
きっと手を伸ばせば直ぐに掴める。
直ぐ側にあると言うことは分かっているのに、どうしてもこの手の内に納めることは出来なくて、何度も行動を試みた。
しかし目の前で進み続けるモノは掴めない。
それを嘲笑うように距離をあけて、遠ざかっていく。
何度空気をかいたかわからない手は、いつの間にか爛れて、カラカラになったまま地に堕ちた。
2008.08.24. up.