変幻自在10days
くすんだ色あざやかに
目の前が霞んでしまって、全てが色褪せて映った。
そこに色と言う色はなく、視界に入り込んでくるものがモノクロに映って、別世界にでも入り込んでしまったのではないかと思わせる。
それがなぜか、とても悲しかった。
花や草木が色を消してそこに佇んでいる。
それに触れようとすれば、何か透明なものに遮られているかの様にぶつかって、虚しく音を立てるだけだった。
これ以上踏み込ませてはくれないのか、私以外のモノたちの周りには全て透明なもので覆いがされてあり、私の目の前は一層霞みがかった。
こんなにも触れられそうな距離にあるのに、触れることが出来ないと言うことに、虚無感が私を包んで離さなかった。
周りにいる私以外の人たちには簡単に手が届いてしまうのに、私だけがそれらから拒まれている。
悲しさが覆いつくす中に、彼らにはこの草花たちがどのように映っているのだろうかと思うものがあった。
私だけがモノクロの世界で触れられないのなら、触れることのできる彼らには色鮮やかに映っているのだろうか。
もしそうなのだとしたら、なぜ私だけこんな風に拒まれているのかと、視界を覆った。
それが、より一層私の目の前をモノクロの世界で広げていき、全てとの距離を遠ざけた。
それは私の存在を遠ざけているようで、霞んだ目の中から水滴がポトリと地に落ちたのが分かった。
私から流れでたものさえも、私と言うひとつの固体から離れた瞬間に色を無くしているようで、何もできずにそこに佇んでいることしかできなかった。
2008.08.26. up.