変幻自在10days

未来プラス希望イコール

太陽が傾きかけた帰り道、帰路を歩きながら彼女が不意に漏らした言葉を頭の奥から引っ張り出した。
そしてその言葉を二、三度繰り返してから、どういった意味だったのだろうと思考を巡らせたり、頭の中に蓄えられた単語たちを引き出してみるが、どれも上手い具合に当て嵌まろうとはしない。
完成間近とまで迫っているパズルのピースに、どのピースも当て嵌まらないような感覚がなんともむず痒い。

それなりに頭はいい方だとは言われるが、それならなぜ彼女の言った言葉に自分の知っている全ての単語が綺麗に収まらないのかと思う。
例えるならば、残りのピースには左右の凸があるのに、ピースの左右の凹になぜか嵌まらないと言った感じだろうか。
それの繰り返しが何度も続いたまま、最終的には当て嵌めるモノがなくなり未完成と言った感じなのだ。

これはただ単に自分の中にあるボキャブラリーが少ないだけなのか、それとも始めから彼女の言った言葉に当て嵌まる単語が存在しないだけなのか。
どちらが正しいのかなんてことは分からないが、どちらも正解なのだろうと思う。


彼女ならなんと答えるのだろうかと考えてみるが、やはり見つからない。
それを告げれば、彼女はきっと柔らかい微笑みを浮かべるだけで、何も言わないだろう。
まるで、今の俺にはそこに当て嵌まる言葉を見つけることはできないと言われているようで、なんとも言えない気持ちになる。

そうならば今思考を巡らせても意味はないと思い、彼女の言葉を頭の奥の引き出しに閉まっておくことにした。
そこに当て嵌まるピースが見つかった時に、不思議と引き出しから出てくるような気がしたのだ。
……あくまでも「気がした」だけで、この先見つかるかどうかは分からないが。


未来と希望を足し算すると、一体どんな言葉が生まれてくるのだろうか。




2008.08.27. up.